木の香りがつくる心地よさ、樹種と香り・成分の違い

自然素材を使った木の家には、見た目の美しさや調湿性といった機能性だけでなく、木ならではの香りが暮らしに深い癒やしをもたらします。
心地よい香りの正体は、木に含まれる「精油成分(フィトンチッド)」です。
樹種によって成分が異なり、香りや効能もそれぞれに個性があります。
建材として選ばれる代表的な木材と、その香りの成分についてご紹介します。

ヒノキ(檜)
日本の代表的な建築材であり、さわやかで落ち着いた香りが特徴です。
主な香り成分はα-ピネンやボルネオール、リモネンなど。これらはリラックス作用やストレス軽減の効果があるとされ、まるで森林浴をしているような気分に包まれます。
さらにヒノキは耐久性や耐水性にも優れており、構造材・内装材ともに広く使われています。

スギ(杉)
柔らかくやさしい甘さを含んだ香りを持つスギには、セスキテルペン類やセドロールといった成分が含まれています。
スギの香りは気持ちを落ち着ける作用があり、寝室やリビングなどにも適した材です。
経年変化によって色合いや香りがやわらかく変化し、味わい深い空間を演出します。

アカマツ(赤松)
清涼感のある香りが特徴のアカマツには、β-ピネンやリモネンが多く含まれており、頭をすっきりさせるような感覚をもたらします。
香りの揮発性が高いため、玄関まわりや吹き抜けなど、風通しの良い空間でその魅力を発揮します。

ヒバ(アスナロ)
ヒバはヒノキチオールという非常に特徴的な成分を含む木材です。
ヒノキチオールは名前に「ヒノキ」とついていますが、実はヒバや台湾ヒノキなどの一部の樹種に豊富で、日本産ヒノキにはほとんど含まれていません。
この成分は抗菌性・防虫性・防カビ性に非常に優れており、古くから浴室や神社仏閣など湿気の多い場所にも使われてきました。
やや薬草的な香りの中に、しっかりとした木の力強さが感じられます。

クスノキ(楠)
クスノキにはカンファー(樟脳)が多く含まれ、独特のすーっとする香りが特徴です。この香りには防虫効果があり、タンスや収納家具などにも活用されています。樹脂分が多く耐久性に優れているため、土台や床材にも使用されることがあります。

【注目の成分「ヒノキチオール」とは?】
ヒノキチオールは、青森ヒバや台湾ヒノキの精油に含まれる成分として発見され、その名がつけられました。
ヒノキの名前がついていますが、日本のヒノキ材にはほとんど含まれていません。
ヒノキチオールの最大の特徴は、その強力な抗菌・殺菌作用です。
多くの菌やカビに対して抗菌効果を発揮し、食品の保存や化粧品、医薬品などに利用されています。
シロアリなどの害虫を寄せ付けない防虫・防腐効果があり、木材の耐久性向上に貢献します。
ヒノキチオールを豊富に含むヒバを建材として使用することで、清潔で健康的な住空間を実現することができます。

【無垢材でこそ最大限に活かされる「木の香り」】
市販されている多くの住宅建材は、複数の木材を接着剤で貼り合わせた「集成材」や、表面に化粧シートを貼った「新建材」が主流です。
しかし、木の香りの効果を最大限に感じられるのは、木本来の姿である「無垢材」です。
無垢材は、木が本来持つ精油成分がそのまま残っており、家の中にいながら森林浴をしているような心地よさを提供してくれます。
化学物質をほとんど含まないため、お子様やアレルギーをお持ちの方にも優しい素材です。
当社では、こうした木材本来の香りや成分特性を活かした注文住宅をご提案しています。
木の香りとともに、心と体が満たされる理想の「木の家」を、私たちと一緒にカタチにしませんか?お気軽にご相談ください。

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